みなさんはパソコンについてどれだけのことを知っているだろうか?パソコンは非常に拡張性の高いプロダクトだと言える。
いろいろなソフトを次々とハードディスクにインストールすることによって、そのパソコンは、いくらでもいろいろなことができるようになっていくのだ。
Q.ワープロ専用機とパソコンは、どこが違うのか? A.外見だけで判断すれば、ワープロ専用機もパソコンも同じように思えるかも知れない。
どちらもキーボードがついているし、ディスプレイ画面だってある。
操作方法だって実によく似ている。
そういう観点から見れば、確かにワープロ専用機はパソコンの一種と位置づけることができるだろう。
だが、両者には決定的な違いがある。
それがROMだ。
ワープロ専用機は、洗濯機やオーブンレンジのような家電製品と同様、文書の人力や編集ができるようになるためのプログラム(=ワープロソフト)がROMの中に記憶されているのだ。
ワープロ専用機は、だいたい半年のサイクルで新製品が登場する。
新しいものほど機能が充実しているし、操作もより簡単になっている。
すでにワープロ専用機を買ってしまった人は、「我が家のワープロも、この新製品と同じレベルに機能アップすることができないだろうか?」と思うに違いない。
だが、残念なことにワープロ専用機の場合は、ROMにプログラムが記憶されているので、このプログラムを最新のものに変えることができない。
つまり、それが欲しければ、新しいものを購入しなければいけないのだ。
だが、パソコンの場合はソフトを自由に変えることができるので、それが可能だ。
常に最新の機能を持ったワープロソフトを使うことができるのである。
これをバージョンアップという。
バージョンとは、そのソフトの型式を示す番号だ。
たとえば、「ウィンドウズ95」の「95」とは、九五年に発売されたモデルを意味するバージョンの違いでもある。
このウィンドウズが九七年に機能アップして新しくなれば、製品名称も「ウィンドウズ97」に変わる。
つまり、バージョンが95から97に上がるので、バージョンアップというわけ。
このとき、ユーザーは古い「ウィンドウズ95」を新しい「ウィンドウズ97」に、破格の値段で交換することができる。
つまり、新しいモデルのソフトを、定価で買い直す必要がないのである。
パソコンのソフトには、こうした特典がついているのだ。
前章までの説明で、パソコンの基本的な知識が身についたと思われるので、今度は本格的にパソコンを徹底解説していくことにしよう。
前章と違って、この章では専門用語がたくさん登場する。
もちろん、すべて知っておいてほしい内容だが、あまりムキになって覚える必要はないだろう。
パソコンのカタログに書かれていることがすべて理解できるようになりたいということであれば話は別だが、みなさんの場合は、こんなものもあるのかといった程度でさらりと流して構わない。
あるいは、わからない点は読み飛ばしておいて、あとから繰り返し読み直すというのも一つの手だ。
一度にすべてをマスターするのではなく、少しずつ知識として身につけていってほしい。
また、この章は、パソコンをすでに使っている人が読んでも勉強になると思う。
最新の情報も盛り込んでいるので、パソコンに対する知識がより一層深まるはずだ。
パソコンは確かに難しい。
でも、みなさんが考えているほど、実際には難しくはないというのも確かなのだ。
パソコンの原理は、いたって簡単である。
ある程度の知識が身についた時点で、いままで闇につつまれていたものが、パッと明るく照らされることだろう。
そのときには、「なんだ、こんなに簡単だったのか」と思うに違いない。
この章をマスターすれば、いままで「ちんぷんかんぷん」だったパソコンショップの店員さんとの会話も理解できるようになるだろうし、パソコン雑誌だって読めるようになるだろう。
社内でパソコンを使いこなしている人と、かなりのレベルで話ができるようになるはずだ。
極楽パソコンへの道は、あと一歩。
頑張ってほしい。
私たちの世界には、さまざまな単位が存在する。
長さを表す単位にはセンチメートルやメートルが、重さを表す単位にはグラムやキログラムなどがある。
これと同じように、コンピュータで扱う情報量にも単位が存在する。
パソコンを詳しく知るには、この単位をまず知っておかなければならない。
パソコンは、ビットという単位から始まる。
実は、電気で動くすべての製品は、電流が流れる(=スイッチを入れる)か、流れない(=スイッチを切る)かの二つの状態しか存在しない。
ビットは、この状態をO(=OFF)と1(=ON)の二種類の数値で表現した最小単位だ。
もちろん、パソコンも電気で動く機械なので、この二つの数値しか認識できない。
だから、ソフトやデータなどは、目には見えないけれども、実際にはOと1がたくさん集まった塊にすぎないのだ。
これが35ページでも触れた「電子化」である。
それでは、なぜOと1の塊であるソフトが、ワープロソフトのような知的なものに成り得るのであろうか?これはモールス信号を連想すればよいだろう。
モールス信号は、パソコンと同じくスイッチのON/OFFのトンーツー音しか存在しないにも関わらず、モールス信号が扱える人は、その音の意味を解釈し、いろいろな人と自在に交信することができる。
なぜなら、モールス信号の世界には、私たちの日常生活とは違った独自の言語が存在するからだ。
これと同じようにパソコンの世界にも、パソコンにしか理解できない言語が存在する。
それがマシン語だ。
パソコンの内部に搭載されているCPUという頭脳は、Oと1の数値をマシン語の文法に則って解釈することができるのである。
だから、Oと1で作られているソフトやデータなどの情報を理解して、CPUはさまざまな指令を出すことができるのだ。
そこで重要になってくるのが、「16ビットパソコン」だとか、「32ビットパソコン」といった単語だ。
この16ビットや32ビットは、CPUが一度に解釈することのできるOと1の情報量を表している。
ここで、CPUの内部にビット数分のパイプが通っている様子を思い浮かべていただきたい。
この本数が多いほど、大量の情報が一度に流れ込むことになる。
つまり、一六本のパイプを持った16ビットよりも、三二本のパイプを持った32ビットの方が、二倍の情報をCPUに送り込むことができる。
要するに、ビット数が多くなるほど、パソコンの処理スピードが向上することになるわけだ。
一九八二年に16ビットパソコンが、八八年に32ビットパソコンが誕生し、現在では32ビットパソコンが標準となっている(16ビットパソコンは、もう生産されていない)。
あと数年もすれば、64ビットパソコンへと移っていくことだろう。
現に任天堂からは、64ビットの家庭用テレビゲーム機である「NINTENDO64」という名称のファミコンが、九六年に発売される。
コンピュータ技術は、ものすごい勢いで進歩しているのだ。
現在の家庭用テレビゲームもまた、パソコンと同じく32ビットが主流である。
ソニー・コンピュータエンタテインメント社のプレイステーションやセガーエンタープライゼス社のセガサターンは、32ビットの家庭用ゲーム機。
ただし、任天堂のスーパーファミコンは16ビットのゲーム機。
ビット(g)…情報量の最小単位。
Oと1の二つの数値で成り立っている。
マシン語…CPUが解釈し、実行できる言語。
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